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基本情報技術者講座

★ 猫本 5-05 システムの信頼性評価(その2) ★

基本情報技術者 平成30年度秋期 問15

東京と福岡を結ぶ実線の回線がある。東京と福岡の間の信頼性を向上させるために,大阪を経由する破線の迂回回線を追加した。迂回回線追加後における,東京と福岡の間の稼働率は幾らか。ここで,回線の稼働率は,東京と福岡,東京と大阪,大阪と福岡の全てが0.9とする。

ア  0.729
イ  0.81
ウ  0.981
エ  0.999

解説

(頭の準備体操)

直列システムの稼働率=a×b

並列システムの稼働率=1-(1-a)×(1-b)


・迂回回線(破線)は,直列に接続することから,「東京~大阪~福岡」の間の稼働率を求める。

 0.9×0.9=0.81

・その迂回回線と「東京~福岡」の間とは,少なくとも一方が稼働する必要があるため,並列に接続する。

・迂回回線追加後における,東京と福岡の間の稼働率を求める。

 1-(1-0.81)×(1-0.9)=0.981

解答

基本情報技術者 平成31年春期 問14・平成28年春期 問14

図のように,1台のサーバ,3台のクライアント及び2台のプリンタがLANで接続されている。このシステムはクライアントからの指示に基づいて,サーバにあるデータをプリンタに出力する。各装置の稼働率が表のとおりであるとき,このシステムの稼働率を表す計算式はどれか。ここで,クライアントは3台のうちどれか1台でも稼働していればよく,プリンタは2台のうちどちらかが稼働していればよい。

ア  ab3c2
イ  a(1-b3)(1-c2)
ウ  a(1-b)3(1-c)2
エ  a(1-(1-b)3)(1-(1-c)2)

解説

(頭の準備体操)

直列システムの稼働率=a×b

並列システムの稼働率=1-(1-a)×(1-b)


・図だけで判断すると間違うので,注意する。

・サーバの稼働率はa

・「クライアントは3台のうち1台でも稼働していればよい」とは,並列ということ。

 クライアント3台の稼働率を求める。

 クライアント1台が故障している確率は,1-bです。

 クライアント3台とも故障している確率は,(1-b)3

 クライアントが3台のうち1台でも稼働している確率は,1-(1-b)3

・「プリンタは2台のうちどちらかが稼働していればよい」とは,並列ということ。

 プリンタ2台の稼働率は,1-(1-c)×(1-c)=1-(1-c)2です。

・システム全体の稼働率を求める。

 ここで,サーバ1台,クライアント3台のうちの少なくとも1台,プリンタ2台のうちの少なくとも1台が稼働している必要があるため,直列ということ。

 よって,a(1-(1-b)3)(1-(1-c)2)

・ちなみにLANの稼働率は1(100%)のため,故障しないと想定している。

解答