基本情報技術者講座
★ 猫本 2-02 ジョブ管理とタスク管理(その2) ★
基本情報技術者 令和元年度秋期 問18・平成29年度秋期 問18
優先度に基づくプリエンプティブなスケジューリングを行うリアルタイムOSで,二つのタスクA,Bをスケジューリングする。Aの方がBより優先度が高い場合にリアルタイムOSが行う動作のうち,適切なものはどれか。
ア | Aの実行中にBに起動がかかると,Aを実行可能状態にしてBを実行する。 |
イ | Aの実行中にBに起動がかかると,Aを待ち状態にしてBを実行する。 |
ウ | Bの実行中にAに起動がかかると,Bを実行可能状態にしてAを実行する。 |
エ | Bの実行中にAに起動がかかると,Bを待ち状態にしてAを実行する。 |
解説
(頭の準備体操)
プリエンティブ方式:実行中のタスクを中断しながら,別のタスクにCPUを割り当てて処理を行う方式
Aの方がBより優先度が高い場合は,
Bの実行中にAに起動がかかると,Bを実行可能状態にしてAを実行する。
よって,ウである。
解答
ウ
基本情報技術者 平成28年度春期 問16
組込みリアルタイムOSで用いられる,優先度に基づくプリエンプティブなスケジューリングの利用方法として,適切なものはどれか。
ア | 各タスクの実行時間を均等配分する場合に利用される。 |
イ | 起動が早いタスクから順番に処理を行う場合に利用される。 |
ウ | 重要度及び緊急度に応じて処理を行う場合に利用される。 |
エ | 処理時間が短いタスクから順番に処理を行う場合に利用される。 |
解説
(頭の準備体操)
組込みリアルタイムOS:「期待される応答時間内にタスクや割込みを処理するための仕組みが提供される。」(FE23.1.22)
組込みリアルタイムOSはリアルタイム性が要求されるため,重要度及び緊急度に応じて処理を行う場合に利用される。
よって,ウである。
解答
ウ
基本情報技術者 平成30年度秋期 問18
スケジューリングに関する記述のうち,ラウンドロビン方式の説明として,適切なものはどれか。
ア | 各タスクに,均等にCPU時間を割り当てて実行させる方式である。 |
イ | 各タスクに,ターンアラウンドタイムに比例したCPU時間を割り当てて実行させる方式である。 |
ウ | 各タスクの実行イベント発生に応じて,リアルタイムに実行させる方式である。 |
エ | 各タスクを,優先度の高い順に実行させる方式である。 |
解説
(頭の準備体操)
ラウンドロビン方式:「各プロセスを待ち行列の順にタイムクウォンタムずつ処理し,終了しないときは待ち行列の最後につなぐ。」(AP25.2.19)
ア | ラウンドロビン方式(正解) |
イ | 処理時間順方式 |
ウ | イベントドリブン方式 |
エ | 優先度順位方式 |
解答
ア
基本情報技術者 平成31年春期 問16
タスクのディスパッチの説明として,適切なものはどれか。
ア | 各タスクの実行順序を決定すること |
イ | 実行可能なタスクに対してプロセッサの使用権を割り当てること |
ウ | タスクの実行に必要な情報であるコンテキストのこと |
エ | 一つのプロセッサで複数のタスクを同時に実行しているかのように見せかけた状態のこと |
解説
(頭の準備体操)
タスクのディスパッチ:「あるタスクの実行中に,別のタスクに切り替え,かつ実行権を渡すこと」(AP23.2.19)
ア | タスクスケジューリング |
イ | ディスパッチ(正解) |
ウ | ディスパッチ後は切り替わったタスクにCPUの実行が移る。元のタスクが再びディスパッチされ継続して実行できるように,必要なデータ(コンテキスト)を保持しておく。 |
エ | マルチタスク |
解答
イ
基本情報技術者 平成30年度春期 問16
三つのタスクA~Cの優先度と,各タスクを単独で実行した場合のCPUと入出力装置(I/O)の動作順序と処理時間は,表のとおりである。A~Cが同時に実行可能状態になって3ミリ秒経過後から7ミリ秒間のスケジューリング状況を表したものはどれか。ここで,I/Oは競合せず,OSのオーバヘッドは考慮しないものとする。また,表の( )の数字は処理時間を表すものとし,解答群の中の"待ち"はタスクが実行可能状態にあり,CPUの割当て待ちであることを意味する。



解説
まずは優先度が最も高いタスクAのみ実行させる。
C:CPU,I:I/Oを表す。

次に,タスクBを実行させる。CPUが同時に複数のタスクに割り当てることができないことに注意する。

次に,タスクCを実行させる。I/Oは競合せずとあるので,複数のタスクに割り当てることができることに注意する。

3ミリ秒後経過後から7ミリ秒間を抜き出すと,ウである。

解答
ウ