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基本情報技術者講座

★ 猫本 2-02 ジョブ管理とタスク管理(その1) ★

基本情報技術者 令和4年度6月免除 問15

ジョブの多重度が1で,到着順にジョブが実行されるシステムにおいて,表に示す状態のジョブA~Cを処理するとき,ジョブCが到着してから実行が終了するまでのターンアラウンドタイムは何秒か。ここで, OSのオーバヘッドは考慮しないものとする。

ア  11
イ  12
ウ  13
エ  14

解説

(頭の準備体操)

ターンアラウンドタイム:「利用者が処理依頼を行ってから結果の出力が終了するまでの時間」(IP22.2.86)


ジョブCは,3秒後に到着するが待ち状態となり,12秒から14秒の間で実行される。

ターンアラウンドタイムは,14-3=11秒である。

よって,アである。

解答

基本情報技術者 平成30年度秋期 問17

スプーリング機能の説明として,適切なものはどれか。

ア  あるタスクを実行しているときに,入出力命令の実行によってCPUが遊休(アイドル)状態になると,ほかのタスクにCPUを割り当てる。
イ  実行中のプログラムを一時中断して,制御プログラムに制御を移す。
ウ  主記憶装置と低速の入出力装置との間のデータ転送を,補助記憶装置を介して行うことによって,システム全体の処理能力を高める。
エ  多数のバッファからなるバッファプールを用意し,主記憶にあるバッファにアクセスする確率を上げることによって,補助記憶装置のアクセス時間を短縮する。

解説

(頭の準備体操)

スプーリング:「プリンタなどの低速な装置への出力データを一旦高速な磁気ディスクに格納しておき,その後に目的の装置に出力する。」(FE27.1.17)


ア  マルチタスク
イ  割込み
ウ  スプーリング(正解)
エ  ディスクキャッシュ

解答

基本情報技術者 平成29年度春期 問16

四つのジョブA~Dを次の条件で実行し印刷する。全ての印刷が完了するのは,ジョブを起動してから何秒後か。

〔条件〕

(1): ジョブは一斉に起動され,多重度1で実行される。
(2): 優先順位はAが最も高く,B,C,Dの順に低くなる。
(3): 各ジョブの実行後,スプーリング機能が1台のプリンタを用いて逐次印刷を行う。
(4): 各ジョブを単独で実行した場合の実行時間と印刷時間は,表のとおりである。
(5): その他のオーバヘッドは考慮しない。

ア  100
イ  160
ウ  190
エ  280

解説

多重度1なので,複数のジョブが同時にCPUを使用することはない。優先度が高いジョブから順番に実行される。

各ジョブは実行終了後に,印刷が開始される。ただし,プリンタが1台なので,複数のジョブが同時にプリンタを使用することはない。


一マスを10秒とする。

190秒後となる。

よって,ウである。

解答

基本情報技術者 平成28年度秋期 問16

ある時間帯でのジョブの処理状況を計測したところ,次のとおりであった。どのような状況になっているか。

〔ジョブの処理状況〕

(1):多重度3でジョブを実行する。

(2):ジョブは5分間隔で発生し,実行時間は多重度に依存せず20分である。

(3):各ジョブは実行終了後にスプーリング機能を利用して印刷し,印刷時間は15分である。

(4):プリンタは2台使用する。

ア  印刷待ちだけが増加している。
イ  実行待ちだけが増加している。
ウ  実行待ちと印刷待ちが増加している。
エ  実行待ちも印刷待ちも発生していない。

解説

多重度が3なので,3つのジョブが同時に実行できる(ジョブは5分間隔で発生する)。

プリンタが2台なので,2台のプリンタが独立して使用できる。


一マスを5分とする。

実行待ちと印刷待ちが増加している。

よって,ウである。


(別解)

1ジョブ当たりのそれぞれの時間を求めて比較する。


ジョブの多重度は3,各ジョブの実行時間は20分なので,

待ち時間がない場合は,1ジョブ当たりの実行時間は20÷3=6.6分


プリンタが2台,各ジョブの印刷時間は15分なので,

待ち時間がない場合は,1ジョブ当たりの印刷時間は15÷2=7.5分


ここで,各ジョブは5分間隔で発生するので,

「発生間隔<実行時間<印刷時間」の関係にある。

よって,実行待ちと印刷待ちが増加している。

解答